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ザザイズム

都内某所に生息する大学生。2016年夏からオランダに半年留学中。

ホームシックは意外と大丈夫だった。一番つらかったのは離陸時。

オランダ留学

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早いもので、帰国日が一ヶ月後に迫ってきました。

ここまできて思うのが「ホームシック、意外とそこまでかからなかったな」ってこと。

どんなにつらかろうと、体調壊そうと、日本にいる人たちが楽しそうにしていようと、
「日本に帰りたい」と本気で思ったことはふしぎとなかった。



ごはんはそこまで恋しく感じない

韓国人のクラスメイトが最近ホームシックぎみだと話していました。主な原因は「ごはん」だそうで。THE定番の理由。



私は意外とそうでもない。たしかに日本の味はおいしいのはまちがいないけれど、
ひさびさに食べれば感動するのはまちがいないけれど、
意外とだいじょうぶ。

目の前になくて、味を具体的に思い出す機会もないならないで、
忘れたかのように生きていけてる。そんな感じ。




わたしは味を記憶から再現する能力に欠けているのかもしれない。

たとえば、「あー、そういえばお茶漬け食べたらおいしいだろうなあ」なんてぼやーっと思うことはある。

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けど、なぜか、「ほんとうに食べたい」という実感がともなってこない。
味をまったく忘れたわけじゃないけど、
なんとなく、ぼやっと「おいしいだろうな」という輪郭のない感覚しか浮かんでこない。

そのおかげか、そこまでごはん自体を恋しいとは感じないのです。




食材が恋しい

味というより、食材が恋しい。
まいたけとか、ニラとか、しそとか。

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レシピに混ぜれば間違いなくおいしくなる食材たち。

自炊のレパートリーにかかせなかった食材たち。

料理で手を動かしているとき、
冷蔵庫を開けてつくるものを考えているとき、
「ああ、やっぱりあれがない」と思いなおす食材たち。
舌よりむしろ手がもとめる感じ。



逆に日本に帰ったらオランダのチーズとヨーグルトが恋しくなるだろうなという気がいまからします。
ベルギービールもかな。日本でも売ってるけど、価格差でいちいち恋しく思いそう。




帰る選択肢はない

1年以上の滞在だとか、日本にもっと近いとかなら「一時帰国」という選択肢が存在するじゃないですか。

わたしの場合は、半年。
しかもオランダ。
授業はつめつめ、ヨーロッパ内で行きたいところは盛りだくさん。日本行きの航空券はとうぜん安くないし時間もかかる。

そうなると、「帰る」なんて選択肢はハナからない。それはよーくわかっている。
「帰国したらあとは怒涛の現実」という認識も脳裏に染み付いている。



だからどんなに授業がつらいときでも「日本に帰りたい」とは思わなかった。
ただ「つらいつらい」と嘆くか、「どうしたら状況を打破できるのか」と現実的に考えるか、そのどっちかしかなかった。






「マースに帰りたい」とは何度も思いました。

旅行している最中、疲れ果てたときとか、トラブルに巻き込まれまくったときとか。

「日本に帰りたい」なんて浮かびようがないけど、
「マースに帰りたい」は、ヨーロッパにいる限りはまったく現実的な願い。


脳裏に浮かぶのはマース川をはさむあの風景。都会すぎず、田舎すぎない、あのホーム感。

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自転車でちょっと行けば、一面の畑や、羊や牛がまったり過ごしている絵のような風景が広がる。

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たったの数ヶ月しか住んでいないはずなのに、ずっと昔から住んでいたかのような気分。

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日本帰ってからも、マースは私にとってのホームであり続けるんじゃないかな。
そんな思いがする。




いちばん泣いたのは離陸時

いっちばんホームシックにかかったのは、「日本からの離陸時」。

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まだ国境もろくに超えてないころ。だからホームシックと呼ぶのはたぶん正しくない。

でも、いまだから書くけど、
じぶんでもびっくりするくらい涙が止まらなくなったのです。





わたしは飛行機で選べるならまずまちがいなく窓側派です。
ほとんど席を立たないし、
なにより外の景色を眺めるのが大好き。

離陸時の、どんどん雲をつき抜けていくのも、
安定飛行で外に広がる雲海をながめるのも、
ごま粒よりももっと小さいもののかたまりにしか見えないような下の景色に目をこらすのも、
着陸時の、じわじわと新しい町がせまってくるのも、
ぜんぶ好きなのです。





でも、留学の出国時だけは違った。

窓側を選んではじめて後悔した。

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いままで窓の外をながめていたときは、ただわくわくするばかりだったのに、
今やたったひとり、不安だらけ。

窓の外に広がる雲海をながめて期待にあふれていたときの記憶と、現状との、落差。その絶望的なまでの差が突きつけられたような気分になったとき、涙が勝手に、止まらなくなった。




これからは、よくわからない場所に、ひとり。
圧倒的な準備不足感が身にしみて。
留学準備でいろんな人にお世話になって、でもあまりにもドタバタしすぎて充分にお礼もできないまま離陸してしまって。
怒涛の引っ越し作業、留学手続きに圧されて、あれもしなきゃこれもしなきゃと思っていたのにできなかったことばかりで、なにも準備できてないかのような気にしかなれなくて。
周りをみればみんな就活を終わらせているか、就活に向けて準備をはじめている人ばかりで。
そんななかイレギュラーな4年からの留学をえらんで、たったひとりで向かって。
不安しかなかった。




ハンカチを手回り荷物に入れ忘れたのを後悔するくらい泣きながら手帳に文章をひたすらつづって、ときどき書けないくらいに詰まって、また書いて、を繰り返していたら。
いつの間にかシベリア上空にいて、
窓の外にはうねりくねる川が何本もつづく風景が見えた。

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それは私がいままで見たことのない、「なつかしい」なんて思いようがない、
ただただ、ふしぎな風景でしかなくて。


見入っていたら、やっとわくわくする気持ちが湧いてきて、
少しずつ気分が落ち着きはじめた。



到着したらもう、すべてが新鮮な風景に囲まれて、怒涛の日々がはじまって、
雲海に涙してたような気分とはすっかりおさらばしてしまった。




そうして今日まできたのです。







これから1ヶ月でもっとシックにかかる可能性ゼロは言い切れないだろうけど、
すくなくともいえるのは日本シックよりマースシックにかかる可能性のほうが断然高いだろうな、ってこと。

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残りの日々をしっかり噛み締めつつ過ごしていきたいです。




今日はこのくらい。



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