ザザイズム

都内某所に生息する大学生。2016年夏からオランダに半年留学中。

月経カップという生理用品のおかげでQOLが劇的に向上した話。旅行・海外生活にも。

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出典: Wikimedia Commons

月経カップ(メルーナカップ)という生理用品を4ヶ月間使ってみました。
「生理まじで不快だしいっつも鬱だわ……」「旅行と生理被ったわ絶望‥…」
といった女性の方向けに、使ってみてわかったメリットやデメリットを紹介していってみます。

正直、生理の話なんてタブー視されがちだし書くかどうか迷いましたが、
それより「合計で年あたり2〜3ヶ月にも渡る期間のQOLを劇的に上げられる」かもしれない可能性をどうしても伝えたい!と思えるくらいの便利さだったので。

生々しい表現は極力避けているはずだけど、そのあたりはご承知ください。
女性向けだけど、男性でもこんな世界あるのなーってくらいは知って損ないんじゃないかと思います。

月経カップって?

生理用品の一種。
ナプキン・タンポンに次ぐ第三の生理用品といわれています。
シリコン製のカップで、体内で血を溜めて捨てるというのが基本的な使い方。

スクーンカップ 月経カップ スーパーソフトで量の多い日も安心 洗って使える生理用品 オーガニックコットンポーチつき ハーモニー サイズ1
長らく日本では売られていなかったのですが、最近このスクーンカップというのが日本の医薬品医療機器法をクリアしたそうで、ちょっとずつ広まってきているそうです。

使い方の説明などはこちらのサイトがおすすめです。
howto.maromaga.com


詳しい使い方の解説は他のサイトに譲りつつ、以下は私の主観的な感想メインになります。



メリット

1.使用中は快適そのもの

生理であることを忘れられる、というのは本当。
うまく使えているときは「これ人類の勝利だわ」と思えるくらいには快適。

タンポン同様、血の出る感触もないし、ヒヤヒヤする必要もない。
ムレやズレやヨレを気にする必要もない。
好きなだけうろうろ歩き回っても走り回ってもなんでもしていいのはほんとうにうれしい。


2.使用可能時間が長い

ナプキンは多いと1-2時間、最長でも5-6時間くらいが限度。
タンポンは8時間。
これらに対し、カップは最大12時間。

ふだんはもうちょい短めに取り替えますが、それでもこの許容時間の長さは魅力。


3.連続使用可能

タンポンは取り替えたとしてもタンポンだけで連続で使うと危険だそうで、ナプキンと交互に使うのが推奨されています。
その点月経カップは素材がもっと安全らしいので気にしなくてもOK。

とはいえリスクゼロなわけではない(後述)ので体調不良っぽいな〜と思ったら速攻使うのを止めたほうがいい。


4.荷物が減る(特に旅行時)

一番威力発揮するのは旅行時。

うんざりする量の生理用品持ってかなくてもこれ一個と洗浄用ウェットティッシュやアルコール消毒液、あと予備用に他の生理用品何個か持ってけばオーライ。
特に海外旅行・海外生活時にはとっても強い味方。海外の生理用品は質があまり良くないものが多い。

ちょっとした外出時もウェットティッシュなどがあれば大丈夫。
どうしても衛生面気になるようなら洗浄用の水とかも持ってくべきなのかもだけど、そこまで気にするなら外出時はタンポン使い捨てで使ったほうが良い気がする。


5.プール・温泉可

タンポンでも入れるけど、紐伝いに水吸って雑菌繁殖しやすくなるリスクはゼロではないとのことで。
カップならほぼ確実に遮断できるのでより安心、らしいです。
参考: Can You Safely Go Swimming While Wearing a Menstrual Cup?


6.再利用可能で環境にいい

洗って再利用ができます。

「買い忘れでストックがない!」と焦る必要もなくなるし、
「災害時の生理用品不足にいいんじゃないか」という話もあります。
あまりにも衛生状態悪いようであれば難しいだろうけど、消毒用品が手に入る程度であれば大活躍すると思います。

なおかつ、あの大量のゴミを処理する必要がなくなる。あのゴミ捨ては精神的にも苦手なのでそこが楽になるのは大きい。


カップもカップで洗浄とか必要だから完ぺきにエコとはいえないかもしれないけれど、トイレ一回分多く行って水流すのと同じような影響度じゃなかろうかと思います。


7.経済的

一個で何年も持つ。平均買い替え期間は2年、使い方によっては3、4年持つとか。

カップの値段もピンきりなのですが、2年寿命と仮定してウェットティッシュや予備ナプキンなど付属物含めても月100円〜200円程度しかかかりません。
私が一回の生理で使う金額はナプキン・ナプキン+タンポンでもだいたい700円くらいでした。
となると、費用は約7分の1〜4分の1くらいにはなる計算。


たとえば、カップ月100円、ナプキン月700円と仮定して、生理期間をざっくり35年くらいとしたら。

ナプキン代、一生で約30万円。
カップ代、一生で4〜5万円。
つまり、
カップを使うと、約26万円も得する。

これが安いか?高いか?
感じ方は人それぞれだろうけど、
私は26万多く出して不快な思いし続けるなら割に合わないなと思う。




よくある疑問・否定意見

痛くね?怖くね?

装着時の痛みはゼロではないけど、一瞬。
数分すれば忘れられるくらいの痛み。そして忘れた後はすっかり忘れて快適に過ごせる。そんな感じ。

不快指数には、
装着するときは、プールで耳に水が入ったときくらい。
外すときが、耳にちょっと勢い付けて水が入ってちょっと痛いなあと思うくらい。

ひじをぶつけるとか舌をうっかり噛むとかの鋭い痛み系でもなく、
お腹がズンといたいとかの鈍痛系でもなく、
一瞬不快やな、って感じ。

要するに大した痛みではない。
私的には、漏れが気になるとか湿った感じの不快感が数時間続くとかそういう不快指数のほうが断然高い。


指もカップも同時に入れるとかやっぱ無理じゃね?血まみれにならね?

よくある誤解。

「カップを畳んでもまだ大きいじゃん?
さらに、広がろうとする反発力を押さえながら入れるってことは、最低カップ+指1〜2本分の太さが必要ってことじゃね?
無理じゃね?指とか血まみれ不可避じゃん!」


実は、慣れれば思ったよりほとんど指入れる必要はないんです。
イメージだけで血まみれになるものと考えていたら大間違い。

説明難しいんだけど、ほとんど外から押す作業がメイン。指は第一関節くらいまでしか使いません。てか使えません。
取り出す時も同じ。
タンポンより装着位置は浅めなので指先にちょっと血がつくくらい。ひっくり返して血まみれになることも慣れればまずない。

タンポンは細いけど装着位置深いので別種の不快感あってあれはあれで苦手。人によっては装着位置の関係でカップのほうがコツをつかめば楽かもしれない。


たまに漏れない?結局ナプキン併用すると手間変わらなくね?

うまく使えていないとたまに漏れがあります。予防用に薄いナプキン付けておくことも。
でも、慣れれば単に「万が一の時のために付けとく」だけでしかないです。今日もああいらなかったなぁと思いつつ捨てることがほとんど。

もちろん、ナプキンOnlyのときのようなムレよれズレの被害はなし。「ナプキン併用なら意味ないじゃん」とはとうてい言えない、と思います。


衛生面大丈夫?

アメリカではアメリカ食品医薬品局の管理下で長年使われていますが、「感染症があった」といった報告はありません。
材質的にもタンポンよりはリスクは低いとはいわれています。



ただし、リスクは完全ゼロというわけではない。

「月経カップは50年近く使われているのに過去に一度もTSSの報告がないから安全」と紹介しているサイトがちらほらありますが、間違いです。
2015年に発症例の報告があります。
Toxic shock syndrome is also related to menstrual cups | Dr. Jen Gunter

もともとTSSはレアな病気だそうで、月経カップの使用人数がこれまで少なすぎて単純に症例が出てこなかっただけ、と考えるのが正解なように思います。
タンポンの素材に比べたらリスクは低いんだろうけど、じゃあどれくらい低いのか?月経カップ使う・全く使わないだとどれくらいリスク違うのか?とかそこまで取れるほどデータがないみたい。それくらいレアな症状ではある。



リスクゼロではないけど、じゃあどれくらい大きいか?を具体的に測れるほどの報告はない。
それをどう捉えるかは医学の問題というより個々人の主観の問題だと思う。



TSS以外にも心因性のパニック症候群らしき事例もネットに書き込みがあります。
Has anyone else almost fainted while inserting a cup?? - Menstrual Cups - Divacup, Mooncup, Instead, Lunette, Miacup
ディーバカップで大変な目に… : 美容・ファッション・ダイエット : 発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



というわけで、私的な結論としては、
「絶対安全!」と喧伝するのも、
「いや、怖い危ない絶対ダメ!」と叫ぶのも違うだろう、と。
適切に使っていれば、リスクは低いと考えられる」という当たり前のことだけが言えると思います。



「適切に使う」というのは、

  • 使う前にはカップと手指の消毒を十分にする
  • 12時間以上装着しっぱなしにしない
  • 体に外傷をつけてしまったときは使わない

といったこと。

ちなみに消毒手段として石けんはよくないです。石鹸はアルカリ性のため、自浄作用を妨げてTSSの発症確率も上がるそうです。
Diva Washという専用洗剤には塩やクエン酸が含まれていますし、メルーナカップの公式サイトでは煮沸消毒の際塩や酢を入れるのがおすすめされています。


血見たくねえ洗いたくねえ不潔だ

不快感のメインになるにおいは、ほぼしません。

嫌なにおいや雑菌繁殖の原因は空気に触れるからであって、カップを使う限りは血は空気にほとんど触れないもの。
先述の通り指が血まみれになることも実はあまりないし、
感染症などの報告もほとんどない。


これ以上は、もう個人の感覚としか言いようがないかもしれない。

私的には、血付いた服とか洗ったことある人なら大丈夫だと思います。むしろ、布と違って流せばすぐパッと落ちるのでそれよりずっっっと楽。
それすらダメな人ならダメだと思うけど、それはちょっと重度の潔癖症かもしれないなとしか私にはいえない。


消毒めんどくさくね?公共の場で使えなくね?

毎月最初の使用前&最後の使用後に煮沸消毒&アルコール消毒。
使用中は外す→ペーパーで拭く→ウェットティッシュで拭き取る→再装着→夜お風呂時に水洗い、
でなんの問題もない。

毎回毎回洗って乾かす必要はないです。

もともと人の体で無菌状態な場所なんてほぼないでしょうし、自浄作用もあるし、空気にもほとんど触れないから菌繁殖のリスクも少ないし、そこまで神経質になる必要はないんじゃないでしょうか。



消毒もいうほど面倒でもないです。
煮沸消毒なんて他のことやりながらでもすぐできますし、
ちゃんとやりたいならアルコールやクエン酸などで拭けばOK。

衛生保ちつつ楽にしたいならやっぱり使い捨てが一番なのでしょうが、
ゴミ捨てる手間とか考えるある程度の手間はあるわけで。

どの程度を面倒と考えるかもまた衛生観念と同じく人によりけりとしか言いようがない気もします。


気分悪くしない?大丈夫?

正直、合う合わないはあります。
とくに、あまりにも体調不良のときは控えたほうが良い


私は以前、ミントアレルギーと思われるひどいじんましんを起こしたことがあります。

www.zazaizumi.com

その際使っていた月経カップ外した途端、おでこと首筋のかゆみがピタリと止まって楽になり驚愕。
その後ミント水飲んだら悪化したので主要因はミントアレルギーなのは間違いないし、その時以外は月経カップ使ってもじんましん起こしてはいません。

ここから言えるのは、
月経カップはじんましんの直接の原因ではないにせよ、
体調不良を悪化させる原因にはなりうる、ということ。

装着感は忘れるくらい、とはいっても体調不良の際に悪化させる可能性は十分あるだろうなと思う。
初めて使う際は外出予定なくて体調が安定しているときに試すべし。




メルーナカップのすすめ

私がカップを使いはじめたきっかけはヨーロッパ旅行。
旅行中に生理がはじまってしまい、異国の地でトイレを探すのも難しくて、歩きに歩きまわってたら服を汚してしまいテンションダダ下がりを超えた絶望感に襲われたのがはじまり。

もうイヤだ、ってときに思い出したのが月経カップ。

もともと月経カップの存在は聞いていたので、
「ヨーロッパならどこかしらのドラッグストアにあるはず」と思い、旅の先々で探し回り、
スイス(5000円)とドイツ(1800円)で見つけました。
意外とオランダでは売ってない。「オランダ人=合理主義・倹約家」って説が成り立つならいかにもありそうなのに。不思議。



私が買ったのはドイツ製のメルーナカップ。クラシック・通常Sサイズ・無色・輪っかつまみ(ステム)のもの。

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出典: Me Luna Online Shop

あまり日本では有名じゃないブランドのようなのですが、他ブランドよりも日本人向けだと思ってます。

メルーナカップの良いところは、バリエーションが豊富なところ。
ほとんどの他メーカーがサイズ2種類しか扱っていないのに対して、なんと8種類もある。
S・M・L・XLの各サイズに対して通常サイズとSHORTYサイズというさらに短くて小さいサイズがある。

さらに嬉しいのが、つまみ(ステム)の部分が棒・ボール・つまみなし・輪っかの4種類もあること。

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出典: About Me Luna® menstrual cups

とくに輪っかverの扱いやすさは異常。

他と比較したことないのにここまで書くのは無責任かもしれないけれど、
少なくとも、小さめサイズの存在と、輪っかステムの扱いやすさ。
この2点だけでも、初心者向けとしておすすめできると思う。



デメリットは若干硬い(らしい)こと。
月経カップはシリコン製のものが主流なのですが、メルーナはTPEという素材でできています。シリコンと比べるとちょっと硬くて開きにくいらしい。
ただ、硬すぎるとうまく開かない、でも柔らかすぎてもうまく開かない、と両方の話を聞くので真相は不明。
少なくとも、メルーナカップに関してはソフトタイプより硬めのクラシックタイプのほうが初心者向けのようです。



価格は他のカップと比べるとだいぶ安い。
オフィシャルストアから日本に発送しても送料込みで2000円ちょいしかかかりません。




まとめ

どの生理用品にもメリット・デメリットがあるし、人によって合う合わないもある。

だからこそ、カップを試してみる価値があると思います。

だって、1年のうち2〜3ヶ月間にもあたる期間のQOLを一気に引き上げるかもしれない。
タブーだの人前で出す話じゃないだのなんと言われようが、この事実は揺るがない。


使ってみて、やっぱり常用しないと決めたとしても、選択肢が増えることそれ自体は間違いなく好ましいことだと思うし、
私はほんとうに使えるようになってよかったし、
もっともっと楽に過ごせるはずの人が世の中いっぱいいるんじゃないかなと思う。



……とはいえリアルでこんな話する機会もなかなかないので、文章にしてみた次第です。






今日はこのくらい。

◯今日の過去記事◯
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