私は去年(2015年)の3月に一週間台湾を一人旅してきました。
旅のハイライトは、と聞かれれば真っ先に挙げるのは「台湾ランタンフェスティバル」。
2016年は2月22日(月)~3月6日(日)に開催されます。
あまり日本では注目されていないようですが、絶対もっと知られるべき。
最終更新日: 2019/10/26
台湾ランタンフェスティバルとは
台湾の旧正月の時期、元宵節(げんしょうせつ)のお祝いに行われるお祭りの一つです。
現地では台灣燈會(タイワンデンホェイ)と呼びます。
毎年2月下旬~3月上旬に開催。
2016年は2月22日(月)~3月6日(日)、平日14:00-22:00、休日10:00-22:30に開催。
場所は毎年変わります。2016年は高鐡桃園駅周辺にて開催。
桃園国際空港からも台北からも近いです。
去年(台中の新烏日駅~高鐵台湾駅)に比べてアクセスしやすさは格段にアップしたんじゃないでしょうか。
2020年の公式サイトはこちら。
2020台灣燈會在臺中
平溪天燈節と台湾ランタンフェスティバルの違い
よく混同されるのが、「平溪天燈節(ピンシーティエンデンジェ)」。こっちも元宵節を祝うお祭りの一つです。
願いを書いたランタンを一斉に飛ばします。
参考: 平渓ランタンフェスティバルは涙ぐむほどの美しさ! | 台北ナビ
私は「平溪天燈節」も「台湾ランタンフェスティバル」も両方行きました。
ざっくり言えば、
しみじみと幻想的なのが平溪天燈節、
幻想的かつアジアンカオスが爆発してるのが台湾ランタンフェスティバル。
どっちが好きかと言われても決められないくらい、
両方ともほんとうに素晴らしかった。
それなのに、「台湾ランタンフェスティバル」は、まだあまり日本では知られてないみたい。
平溪天燈節では日本人めちゃくちゃよく見ました。
しかし、台湾ランタンフェスティバルではなっかなか見かけませんでした。
日本人はおろか、外国人観光客とわかる人も少ない。
平溪天燈節はツアーもよく組まれているようですが、台湾ランタンフェスティバルはまだまだ少なそうな印象です。
台湾ランタンフェスティバルのすごいところ
私は2015年3月7日に台湾ランタンフェスティバルを訪れました。
平溪天燈節を見に台湾に行った「ついで」くらいの軽い気持ちで行ったのです。
ほぼ事前情報は何もなしで行きました。せいぜいちょっと広い公園くらいの場所に、ちょちょっとランタンが置かれているくらいだろうな、と。
予想を上回りすぎて、度肝を抜かれました。
1.圧倒的なスケール
私が昼間に開催地である新烏日(シンウーリー)駅を利用したときの風景。
「こんなところに遊園地なんてあるんだ」と思いました。
しかし……
よく見たらそれは一面のランタン。
夜になってフェスティバル開場を訪れたときは、もう異空間が広がっていました。
その広さ、約20ヘクタール、東京ドーム4個分です。
2016年もこのくらいの規模で開催されるとのこと。
ひたすら早足で3時間くらいかけて歩き回ったけど、全然見切れなかった。
じっくり見ていたらもう一日じゃ足りません。
2.幻想的でユニークなランタン
ひとたび会場に踏み込めば、光と色の洪水。
一つ一つのランタンも、本当に個性豊かでした。
いかにも中華圏ぽいモチーフに、なぜか「●たしンち」のキャラが紛れ込んでたり。
ダンボーがいたり。
巨大な龍が羽を動かしつつ煙を吐き出したり。
他にも、「通ると幸せになれる門」とか、「幸せになれる橋」とかそういった類のものもあったり。
全方位アジアンカオス。
いちいちコメントしたら切りがないくらい面白かったです。
でも、静止画じゃその半分もすごさが伝わらない。
ほとんどのランタンは何かしら点滅したり、動いたりします。
もうくらくらです。
ただただ幻想的で、夢の中にいるみたいな感覚でした。
3.壮大すぎるショー
30分に1回、メインランタン(干支の巨大なランタン)が点灯し、音と光のショーが行われます。
私が見たショーはいつもより豪華な特別版だったようです。
BGMに合わせて点滅するランタン。
めまぐるしい点滅を繰り返す羊のメインランタン。
うねるサーチライト。
クライマックスに炸裂する花火。
これは完全に度肝抜かれ過ぎてもう、
呆然。
www.youtube.com
これは点灯式の動画ですが、まさにこんな感じでした。
おかげさまで全く写真が取れませんでした。
ぜひとも生で見てほしい。
4.殺人的な交通混雑
フェスティバル会場は広いだけあって、大部分の場所は自由に歩き回れました。
しかし問題は行き帰り。
私が行った日はちょうど休日で、トップクラスに混雑する日に当たったようです。
なんと来場者数は1日で150万人。
いろんな1日あたり平均入場者数と比べてみると、そのすごさは歴然。
コミケ | 17万人 |
ディズニーランド・シー | 8万5千人 |
青森ねぶた祭り | 44万人 |
隅田川花火大会 | 95万人 |
台湾ランタンフェスティバル(3月7日) | 150万人 |
ここまでの人数になると正確かどうかちょっとわからないのですが……。150万人というのは警察推計の人数なので、大幅に盛ってるってことはないんじゃないかと。
できれば平日に行ったほうがいいと思います。
休日に行くなら早めに行って早めに帰るべし。
人、人、人、進まない。
20時頃、新烏日駅から会場入りしようとした時の写真。
もうすでにホームが人でみっちみち。全然列が動かない。
改札周辺も大大混雑。
会場は駅のすぐ外にあるのですが、たどり着くのも一苦労でした。
しかし、まだこれはほんの序の口。
本当の地獄は帰りにありました。
帰れない。
22時過ぎ頃、新烏日駅から台鉄台中駅というところに帰り始めました。
本来ならば電車で12分の距離。
しかし、台鉄台中駅に着いたのは1時前。
15倍近い時間をかけた計算になります。
帰りは最初、シャトルバスを使おうとしました。
こんな感じで行先別に20系列くらいの臨時シャトルバスが運行していました。
しかし、列が長い。長すぎる。
列をたどっているうちに他のバスの列と混ざってしまいわからなくなる事態。
スタッフに聞いても、英語は通じないし、中国語を書いて伝えようとしても*1、意思疎通が困難。
そもそも、スタッフもあまりの混雑に混乱していたみたいです。
諦めて、電車を使おうとしたのですがこのありさま。
人混みが完全に止まってしまって動かない。
電車にたどり着くなんて到底不可能でした。
減っていく携帯の充電。
飛び交う理解不能のアナウンス。
いっこうに進まない人の列。
通じない言葉。
もう完全に途方に暮れていました。
しかし、駅でたまたま見かけたプラカードに救われました。
さっきのバス乗り場とは別の場所に「台鉄台中駅」直行のバス発着所があるらしいとのこと。
列の進みは意外と早く、列も混ざることもなく、やっと台鉄台中駅近くの宿までたどり着けました。
本当にほっとしました。
*
私はあの帰れない絶望感を二度と味わいたくはないです。
ですが、それでも自信を持って言えます。
一生に一度は行くべき。
それくらい衝撃的なお祭りでした。
写真も動画も実際に見るのには到底かなわないです。
ぜひとも生で見てください。
*1:第二外国語が中国語でした。でも、発音難しい上ほぼ忘れかけ、パニックで到底発音できっこなかったので筆談を試みました。