ザザイズム

書くことは命の洗濯。日常で考えたことや国内外旅行記などつづっています。

FedExで書類をオランダに送るまでのてんやわんや

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この前初めて国際宅配便(FedEx)を使用してオランダに書類を送りました。いろいろとバタバタした&ネット上にあまり情報が見当たらなかったのでその時のことをメモ。

国際宅配便で書類を送る、特にヨーロッパ方面に送る方には参考になるはず。


※最終更新日: 2020/05/31
UIの変更など最新情報について追記しました。金額などは2016年7月当時のものです。最新情報は各企業の公式HPで確認お願いします。



ことの経緯

このたびオランダのMaastricht Universityというところに留学することになりました。オランダに3ヶ月以上滞在するには居住許可(Residence Permit)が必要になります。手続き的にはビザをイメージしてくれれば大体合ってます*1。そのために書類を揃えて*2、留学先の担当部署に送ることになりました。

そこでまず考えるのは「国際郵便」。

船便は2ヶ月以上かかるのでナシ、となると残るは次の3つ(2016年7月当時の料金)。

料金 日数
EMS(国際スピード郵便) 2,200円 2日
国際書留付き航空便 670円(定形外・国際書留付き) 6日
エコノミー航空(SAL)便 590円(小形包装物・国際書留付き) 2週間

サービス比較表 - 日本郵便


……のはずなのですが。

オランダって郵便トラブルがしょっちゅう起こるのだそうです。行方不明になったり、オランダ国内に入ると追跡できなくなったり、税関ひっかかったり。一番早くて高いEMSすらも10日とか2週間かかることもあるとか。むしろEMSだと関税通って時間かかるから時間あまり変わらなくて安いエコノミー航空(SAL)推奨とか。

出発まであまり時間もないし、長くても1週間以内で届いてほしい。ここで郵便使うのはとんでもないギャンブルになりそう。

というわけで、国際宅配便をはじめて使ってみました。




国際宅配便の業者選定

調べてみたのが
FedEx、DHL、UPS、ヤマト運輸の4つ。

見積もりと日数をあつめて比較してみることに(2016年7月当時の料金)。

業者名 サービス名 送料 日数
FedEx フェデックス・インターナショナル・プライオリティ 5868円 2日
FedEx フェデックス・インターナショナル・エコノミー 9063円 3日
DHL EXPRESS ENVELOPE 5870円 2日
UPS Worldwide Express 6896円 2日(午前中配達)
UPS Express Saver 6465円 2日
クロネコヤマト 国際宅急便 1,500円 8日


ヤマト運輸以外は為替レート次第で変動しますが、だいたいこのくらい。

ヤマト運輸は安いけどやはり所要時間がかかる。基本的にアジア方面に強いみたいだからヨーロッパは仕方ないか。
FedExとDHLが同じくらい。UPSは+1000円。


早さと値段でFedExかDHLに絞る。
ここで困ったのが、「DHLでオンラインアカウント開設できるのは法人だけ」ということ。個人で作るならカスタマーサービスへ営業時間内に電話連絡しなければいけない。FedExは個人でもクレジットカードさえあれば24時間オンラインでアカウントを開設できる。

ということで、FedExに決定。



見積もりの出し方

※2020/05/31 追記
FedExの見積もりについてはUIが変更されました。金額は下記の「2020年日本発輸出運送料金」を参照するのが一番早いです。

運送料金および関税 | フェデックス 日本


FedEx、DHL、UPS、どのサイトも似てるっちゃ似てるんですけど、初めて使うときは見積もり出すのも一苦労。

私がつまづいたのは以下のあたり。

総税関申告価額(Declared value)

書類なんて1円もしないやろう……と思うけれど、1円とか書いときましょう。
書類は関税が基本的にかからないのですが、ひとまず書かないと見積もりが出ない。

重さ

「0.1kg」で計算しておきます。
A4数枚程度なら100gもないはずですが、小数点第二桁以下は記入できないのでこれが最小値。0.05kgとか書けない。

梱包材

FedExは専用の梱包材(フェデックス・エンベロープ)を使わないと値段がドカンと跳ね上がります

「フェデックス・インターナショナル・プライオリティ」なら、専用梱包材で5868円
それ以外の梱包材だと、13888円
差はなんと2倍以上

ちなみに「フェデックス・インターナショナル・エコノミー」は専用梱包材であってもなくても価格が変わりませんでした。

専用梱包材を手に入れるのも曲者。タダなんですが、家に届けてもらうには日付指定も何もできないっぽい。私は荷物を営業所持ち込むついでに梱包材をもらい、その場で梱包して出荷しました。



FedExのアカウント・ID登録

FedExのアカウント登録も一苦労。
まず、アカウントといっても
FedExアカウント(アカウント・ナンバー)」と「fedex.comログインユーザーID」の二種類がある。

アカウントナンバーはFedExによって指定される9桁の数字。支払のクレジットカード情報などはアカウント・ナンバーのほうに紐付されている。
ログインユーザーIDはその名前の通りログインに使う。通常のWebサービスと同様にIDとパスワードを自分で設定できる。IDとパスワードで初めてログインしたときに、アカウントナンバーの初期設定を求められる。

ですが、
これが何回やってもエラーが出てきてうまくいかない。ブラウザを変えても、言語を英語にしても。「???????????」と文字化けしたようなエラー画面が出てくる。

何回も失敗したあげく、なぜかうまくいったのが
トップページからのログインのし直し。
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ログインと同時に次の動作を選べるプルダウンがあるので、そこで確か「出荷書類作成」など、何かの操作を指定したらなぜ次の動作に移れました。




出荷書類作成

「出荷」→「今すぐ出荷」を押し、「FedEx Ship Manager」を開いて出荷書類を作成します。
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迷ったポイントを書き出してみます。

貨物の内容・書類の詳細

英語でずらっと細分化されています。一応居住許可という法的手続きに使うものだからと「Legal Document」をチョイス。

総税関申告

「貨物の内容」で「書類」を選び、
総税関申告を0円にすればインボイス(通関書類)は不要になります。
「0円」以外にすると、通関書類の作成を求める項目が表示されます。

私は見積りと同様、価格1円と入力してしまったたため、通関書類の入力を求められてしまいました。通関用語に悪戦苦闘してフォームを埋めたものの、発送の段階になって結局不要と言われてしまいました。




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書類以外の荷物を送る場合に備えて補足説明しておくと、
「インボイス」というのは、書類以外の貨物の通関のために税関に提出する書類。
発送に使う「インボイス」は「コマーシャル・インボイス」。「プロフォーマ・インボイス」は社内用だから無視してOK。他のチェック欄は個人発送なら基本的にチェックしなくてOK。





印刷

出荷ボタンをクリックすると、ラベル・インボイスの印刷画面に移ります。
ラベルとはいっても別にシール用紙に印刷する必要はなし。
もしインボイスが必要な荷物なら、インボイスに署名する欄があるので署名しておきましょう。

ここでもまた一トラブルありました。
いつもUSBにPDF入れてコンビニでプリントアウトしている私。PDF保存印刷しようとしたらこれがうまくいかない。フリーズする。
これはどうにもなりませんでした。結局有線プリンタの環境で印刷し直しました。

ここで注意したいのか「再印刷は最初の発行から12時間以内」ということ。
そして、再印刷の場所もちょっとわかりにくい。「出荷履歴欄から再印刷できます」とあるのに、見つからない。
「FedEx Ship Manager」という発送情報入力画面に移ってから、上のタブのところにあります。もしくはログインする際に「すべての貨物を表示」を選択してもOK。
こういう細かい言い回しがいちいち食い違うのは微妙に困る。翻訳元からずれてるっぽいし、どうにかしてほしい。



発送

営業時間の壁。とにかくこれ。

国際宅配便業者は、基本的に日・祝日休業です。
平日・土曜日に集荷をお願いできるのですが、時間がかなり制約されます。
出荷準備完了時間(この時間からは在宅して対応できる、という時間)は10:30、11:00の二択。後ろの時間は13:00~24時まで。

つまり、どのパターンにせよ、11:00~13:00には必ず在宅していないといけない。私はこの時間帯の都合がなかなかつかない。完全に法人向けの時間設定。困った。


ということで平日9:00~19:00までやっているフェデックスの店舗へ直接持ち込みに行きました。
お近くの国際貨物を出荷可能な営業所やサービスセンター | FedEx 日本
店舗は「 ワールドサービスセンター」「営業所」「 オーソライズド・シップセンター」「ドロップボックス」の四種類。
「ドロップボックス」は24時間いつでも差出可能なポストみたいなもの。
私は梱包材もらうのを兼ねて「営業所」に行ってきました。


印刷したラベルとインボイス、送りたい書類を抱えて、受付で「書類を送りたい」「梱包材がほしい」と伝えたら、あとは指示に従うだけ。梱包材に書類を入れて、ラベルを梱包材の外側ポケットに入れて完了。書類ならインボイス不要ともいわれました。請求はそのうちクレジットカードに来ます。





追跡

追跡はかなり細かくできます。
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6/27午前に発送して、2日後(6/29)に届きました。早い。国内に送るのと日数そんなに変わらない。値段が数倍するだけあります。

書類到着の8日後、先方の担当部署から書類を処理したという連絡が入ってきました。

そこからオランダの移民局に書類が発送されて、7/22(書類到着の23日後)に居住許可が下りたという連絡がありました。5週間くらいかかると聞いていたので、早さにびっくり。向こうに到着してからもまだまだ手続きは続くけど、これで一安心。


まとめ

  • FedExなら専用の梱包材使うべし
  • 書類発送なら見積もりで税関申告額1円、実際の発送申込では0円と書く
  • 集荷時間・営業時間・休業日に注意

基本的に海外宅配は法人向け色がかなり濃いなという印象。アカウントの作りやすさしかり、集荷時間しかり。
初見で使うにはあのホームページ微妙に使いづらいように思う。でも、一回やってしまえばなんてことないです。

かなりピンポイントな情報になりましたが、いつか誰かの参考になれば幸いです。

*1:入国後の手続きがメインになるあたり、ビザ(査証)とはちょっと違うものではあります。

*2:ここもひっじょーに一悶着ありました。今度書きます。