ザザイズム

書くことは命の洗濯。日常で考えたことや国内外旅行記などつづっています。

天才マルチ奏者・FKJのライブで魂が洗われた @豊洲PIT (2024/06/05)

FKJ (French Kiwi Juice) というアーティストのライブに行ってきた。フランス出身の7つの楽器を操るマルチプレイヤー。
緑と木材に囲まれたおしゃれカフェで流れていそうなチルくてリラックスできる曲が多い。

そんなFKJのライブ、めちゃくちゃ楽しみにしてた。高い高い期待を遥かに超えてきた。
浮遊感とグルーヴ感と音楽への愛に満ちみちた美しい時間だった。

FKJを知って申し込むまで

FKJはVR経由でたまたま知って好きになった。去年の秋頃メンタル落ちていた時期にめちゃくちゃよく聴いて救われまくった。

イチオシはウユニ塩湖でのライブ映像。
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どこまでも続く空の中、ひとり何役もこなしながら音楽を紡いでいくさまがあまりにも美しすぎる。しんどい時にこの音楽と映像がどれほど寄り添ってくれたか、計り知れない。


そんなFKJの来日単独公演。行かない選択肢はない。

どうしても確実に行きたくて、会員先行に課金した。これが大正解だった。一般先行はそこそこ倍率があったようで争奪戦になり転売価格は数倍につり上がっていた。会員先行は整理番号も良く、キャパ約3000人のところ整理番号70番台。かつてない番号の早さにびっくりした。


会場へGo

開場は豊洲PIT。気合入れすぎて開場40分前に来たらさすがにガラガラだったけれど、開場し開演が近づくにつれてみるみるうちに埋まっていった。さすがソールドアウト公演。
お客さんは2、30代くらいのおしゃれな方が多かった。



席は段差と柵のあるエリアの最前列に陣取った。
開演までの待ち時間に柵に寄りかかれるし、身長低い民として普段のスタンディング公演であはりえないような視界の抜け感は感動ものだった。

スタンディングはいつも人と人の間を必死に探してその隙間が広がったり狭まったりを繰り返す隙間をひたすら必死にキャッチするのが当たり前だったのだけど。それが一切なくてただ眼前にしか人の頭がなくてステージまで晴れ晴れとした視界が広がり、照明も映像も本人もばっちり見えすぎる。本当に没入できて、何時間でもいたいくらいだった。課金して先行で取ってよかった。



マルチプレイヤーの職人技から繰り広げられる極上の世界

開幕のピアノから一瞬で別世界への扉が開かれて。あっという間にマルチプレイヤーの本領大発揮。

楽器を次々と早業で持ち替えていくさまはまさに職人技。ギターやサックスを下げたままピアノやキーボードを操るのはもちろん、片手ではサックスのフレーズを鳴らしつつもう片手ではエフェクターをいじったり、ピアノ弾きながら片手になる一瞬にマイク位置を何度もちょいと調整していたり。

こんなんぜったい私だったら頭混乱するわ……ってツッコミ入れたくなったり、こんなギリギリまで演奏して次のフレーズ間に合うの〜〜〜!?って勝手にハラハラしちゃったり。そんな見た目のせわしなさに対して、曲はせわしなさをみじんも感じさせない美しい浮遊感あふれる音にあふれていて、そのギャップがたまらなかった。




バックの映像や照明も音楽の世界観とぴったり。緑あふれる自然から演奏している手元のリアルタイム映像まで、没入感に溢れていた。

次々と楽器を持ち変え、ルーパーで音がどんどん積み上げられていく。気づけばさっきのフレーズがもう音楽の一部になっていて、また新たな楽器で音が積み重ねられてどんどん厚みが出ていく。目の前で音楽がまさに生み出されていくさまはあまりにもライブ感に溢れすぎたライブだった。

チルで繊細な音ばかりと思いきや、美メロで思いの外ごつく響く低音やダンサブルな曲もあって。

緩急があるからこそよけいにピアノソロのパートが染み入った。少しずつ音が減っていって、ピアノの音だけが残って、会場が息潜める、そんな瞬間。この瞬間永遠に続けばいいのに……と思えるようなひととき。




アンコールは何がいい?と客席にリクエストを取るスタイル。みんな曲名叫びまくりの大熱狂でまったく聞き取れないくらいのカオス。
私はもう大好きなYlang YlangもGo Back Homeも聴けたし満足度高すぎて逆に思い浮かばねぇ〜ってなってた。

選ばれたのはSkylineだった。そうだSkylineがあったよ!ってなった。大盛りあがり。

www.youtube.com

からの即興コーナー。観客のコール&レスポンスをもその場でループして即興演奏に取り込んでしまうライブ感が新鮮すぎて、ほんとに即興だな!?と改めて実感した。




終演後、周りの客も口々によかった、やばかった、と大盛りあがり。

豊洲の夜景を見ながら帰路についた。

心地よい風に吹かれて、余韻に浸りに浸ってた。



出会えてよかったと心から思えた

この日の東京公演はアジアツアー最後というのみならず、1年半近いツアー全体の最終日でもあったそうで。

フェスではない単独公演としては2017年ぶり、MCでも「なんでこんなに間が空いたのかは不思議」と言うくらいの間が空いていたようだけど。
毎年来てほしい……!なんなら毎月でも聴きたいんだが……!?と切に思った。



つらい時期に一番気に入っていたGo Back Homeが流れた瞬間、いろんなことを思い出した。
過去は遥か昔に遠のいて、いまここには美しい音だけが響いている。そう思った瞬間泣きそうになった。

FKJを知れたのは偶然で、世界を美しく彩ってくれた。
唯一無二すぎるのか似たアーティストを探してもなかなか見つからない。きっかけがないと出会えないアーティストのように思う。出会えてよかった。



そんな最高のライブでした。



今日はこのくらい。



◯今日の過去記事◯

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