ザザイズム

書くことは命の洗濯。日常で考えたことや国内外旅行記などつづっています。

90年代半ば生まれが語る、パソコンとインターネットの思い出話

Computer
物心ついたころには家にパソコンがあって、
幼少期はインターネット文化にどっぷり使って育ってきた。

そんな90年代半ば生まれの「デジタルネイティブ」の私が、インターネット・パソコン文化周りの思い出話を語ってみる。
私が同世代の平均とは言い難いけど、一事例として見てもらえれば。



初めてのパソコン、初めてのインターネット(5歳~小学3年生)

初めてPCに触ったのは5歳前後。初インターネットは小1の頃。
一番初めのころは付属のゲーム、サンリオのゲームで遊び回ってた。
ピンボールとか。
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ネットゲームだと、みらくるぱんぞう、こどもぽるた、shockwave.comがお気に入りだった。


ゲームに飽きたら、ペイントやWordをひたすらいじり倒す。
Wordのワードアート機能なんて格好のおもちゃ。古いWordのワードアートのぶっ飛びっぷりといったら、時代だなぁと思う*1
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初めてアクセスしたサイトはとっとこハム太郎の公式サイト。
小2の頃にはQWERTYキーボード入力を独学で覚えた。学校でもローマ字のロの字すら出てこない頃。誰に教わるでもなく、漢字練習帳の後ろに載っていたローマ字表を参照しながら覚えていった。小4のコンピュータの授業でやらされた一太郎スマイルのタイピングゲームでぶっちきりのスコア叩き出すくらいには上達した。

おもしろフラッシュを知ったのもこの頃。オラえもん、千葉滋賀佐賀、マイヤヒをはじめとする空耳フラッシュ。兄と一緒に見てはケラケラ笑い転げてた。
一番笑ったのはド◯ミちゃんの絵描き歌

小3の頃には学校でも大流行。「雨の日だけPC室使用OK」という規則があったため、雨の日はみんな我先にとPC室ダッシュ。
びっくりフラッシュといった恐怖系のフラッシュも流行。「赤い部屋」とか、「ウォーリーを探さないで」とか。何も知らない人に見せて驚かせるイタズラが多発。
ハッピーツリーフレンズ」ってグロいフラッシュアニメもわざわざ魅せつけるように見るやつもいた。
ゲームもポン太の大冒険とかが流行。



掲示板・チャットにはまりだす(小学3年生)

小3の頃、掲示板・チャットにはまる。最初は「カオモジラ」という顔文字サイト。
「オエビ(お絵かき掲示板)」や「オエチャ(お絵かきチャット)」にもどっぷりはまる。http://piclab.jpn.ch/さんにはお世話になりました。


一番通ったのは、ふみコミュニティという女子小中学生向けサイト。
news.fumi23.com
今でも残ってるのにびっくり。だけど当時とはまるっきり変わってしまっててもっとびっくり。
2006年段階ではこんな感じ*2
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2000年代女子ホームページ文化全盛期(小学4年生~中学1年生)

小4から中1にかけて個人ホームページを運営していました。
当時は個人ホームページ文化全盛期。中でも女子小中高生の個人ホームページ文化の栄えようといったら、すごかった。
当時の「ふみコミュニティ」のHP制作関連の掲示板の充実っぷりは異常。
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今残るのは「ブログ作成全般」だけ。HP作りなんてワードはどこへやら。時代を感じる。


2000年代女子ホームページ用語集

この辺りのキーワードが刺さったら仲間

キリ番

ホームページのアクセスカウンターで1000といったキリの良い番号のこと。
これを踏んだら「キリリク(キリ番リクエスト)」として絵とかをリクエストできる権利を得られることがしばしば。
反面、キリ番を報告しないと「踏み逃げ」として批難される。つまりはただの地雷。

関連語: 「キリ番自爆」(管理人がキリ番を踏むこと)

前略プロフィール

通称「前略」「前略プロフ」。
「リアル」という名のミニブログへのリンクが貼ってあること多数。公開と鍵つきの療法があるのもお約束。

WEB拍手

サイト管理人への「応援」の気持ちを伝えるボタン。イメージとしては「いいね」「ふぁぼ」「はてなスター」の匿名バージョン。
連続でボタンを押すたびに画像が変わり、5回目くらいで変わらなくなるのが定番。

ランクリ

ホームページランキングをクリックすること。ふみコミュニティの「おしゃれKIDSホームページランキング」や「0574ランキング」が有名。ランキング上位は皆のあこがれ。
「素材使ったらランクリ必須!」といった手法でクリック数を稼ぐ人多数。

管理人への100の質問

自己紹介などに使われる盛大な自問自答。

類語: バトン(質問に答えた後、次に答える友人を指名してまわす)

同盟


★参加資格
・◯◯って聞くだけでそわそわしちゃう
・◯◯の●●なところが好き
・◯◯の△△なところが好き
・◯◯の××なところが好き
・とにかく◯◯ラブ
・もはや自分こそが◯◯だ
・◯◯命
一つでも当てはまったあなた!すぐ参加しちゃってください♪

★参加方法
参加者名簿BBSに名前と一言をお願いします!
HPを持っている方はバナーリンクを貼ってね。※直リン禁止!
HPを持ってない人は、心にバナーをペタッとお願いします(笑)

ヒストリーページ

これまでのリニューアル履歴としてスクリーンショット画像を展示するページ。「これはお気に入りだった!」とか、「一番初めのデザイン!すっごく苦労した。あの頃は若かったなぁ……(笑)」といった管理人のコメントが付けられる。

MIDI

個人ホームページに埋め込まれた爆弾。踏むと突然音楽が流れだしてサイト訪問者を驚かせる。曲自体は素敵なものが多い。
近年「勝手に動画と音が流れ出す広告」として生まれ変わりを果たした、という説も。

窓画、アイフレ、クリッカブルマップ

「窓画」の上に小さい「アイフレーム」というページを表示させる小窓を載せるもの。
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画像の上には「クリッカブルマップ」でリンクを貼る。リンクの形はなんでもあり。丸・ハート・星など。

当時練習で作ってみたものはこんな感じ。
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画像加工文化

ホームページ文化の中でもとりわけ「華」だったのが、画像加工。
「バナ作(バナー作成)」、「ロゴ作(ロゴ作成)」、「窓画」といった単語が飛び交ってた。ソフトの使い方講座サイトや素材配布サイトは大人気。

デザインにも独特の流行がありました。
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こういったぷるぷる感のあるロゴや、ジャギー(ギザギザ感)をあえて残したロゴ。当時、携帯なんかだと解像度が低かったこともあってか、こういうのが好まれた印象。

私も作りたくって、小4の頃からPictBearという無料のペイントソフトの使い方を勉強しまくりました。以後、画像加工が趣味になりました。


個人ホームページの楽しさ――全能感と、秘密基地感と

私も例に漏れず、小4から中1にかけて個人ホームページを運営していました。
小4から小5にかけて、「goo簡単ホームページ」「RAK2」「アミーゴチャット」というホームページ作成サービスをはしご。小6にはPF-X. NETといういわゆる普通のレンタルサーバーでのHTML手打ちに移行。コンテンツは絵・詩・自作キャラの展示。要するに黒歴史

ホームページ運営は実に楽しかったです。
無鉄砲に、いろんなものを作ろうとしては放置してました。
ざっと思い浮かぶのだけでも、こんなに。

  • ペイント使い方講座サイト
  • PictBear使い方講座サイト
  • ネットマナーサイト
  • WEB素材サイト
  • MIDI音楽素材サイト

MIDIなんて、今思うと本当に無謀でした。うっちいの音楽箱!さんや、Litty.さんに憧れただけで。音楽理論ろくに知らないのにやろうとしてた。

何事も、諦めるより前に飽きてました。どんどん興味が移り変わるものだから、飽きた自覚もなかった。




ホームページランキングで賞を取るのを目標にしてた。
いつかは絶対取れる、そう思ってた。
当時の私は、やればなんでもできる!と根拠の無い全能感と自信に満ち溢れてた。



ホームページ作成に使った技術も今思えばめちゃくちゃだった。HTMLエディタすら使わず、ただのメモ帳に手打ち。コピペのつぎはぎで、ソースもめちゃくちゃ。フレーム使いまくり、divとかspanとかhなんて何それおいしいの状態。
それでも、ただただ頭のなかを形にしていける、それだけのことが楽しくて仕方なかった。





こういった一連のことは全部「私だけの秘密」。

掲示板やチャットをやっているところは家族には絶対に見せなかった。
ホームページを作ったことなんて、家族どころか友達にも言わなかった。

自分だけの秘密基地をパソコンの中に抱えている、
そんな感覚に浸って一人にやにやしていた。




「おま画」ブームと、まさかのテレビ紹介(小学5~6年)

小学生当時、おまじない画像、通称「おま画」がブームでした。「待ち受け・壁紙にすると恋が叶う」みたいなもの。
私もそのブームに乗って作成。掲示板で配布したら評判は上々。配布用のホームページを作ったら、結構なアクセス数を稼いだ。

ついでに、
おまじないが作り主にも効いてモテモテに。

……ってのはなかった。真逆な人生送ってます。
「おま画」って、もしかして作り主の運気を吸い取ってできたものなのかもしれない。



ある時、テレビ局から「テレビ番組で使わせてほしい」というメールが届きました。
二つ返事で了承。深夜番組とかでちょろっと出てくるくらいなんだろうと思ってたら朝のニュースでがっつり紹介。5分くらいのコーナー。びっくり。

今思えば、
どの番組に出るかくらいはちゃんとメールで聞いとけよ、いやむしろそのくらい向こうから教えてくれよ……と言いたくなるところ。
でも、当時は単純な子ども。ただただ「自分が作った画像がテレビに出てきた」その事実だけで嬉しくて満足してました。誰にも言わず。




動画サイト文化(小学6年生~中学生)

小学校高学年頃からYouTube・ニコニコ動画に入り浸りだす。
ニコニコ動画(γ)の時代にアカウント作りました。ハルヒとからきすたとかがランキング埋めまくってた頃。大変なものが盗まれまくってた頃。ボカロブームが立ち上がっていくのを目の当たりにした頃。
自分でも簡単な動画を何回か投稿して、MAX10万再生くらいにはなった。




PCスキルの停滞と再興(中学生~高校生)

中学にあがってから絵を描く頻度が減っていった。
ホームページの一大コンテンツを失い、中1の終わりには自然消滅。せっかく積み上げてきたPCスキル、その後の中学生時代にはちっとも伸びなかった。

高校生になったら、PCスキルの活躍の場がたまに現れた。行事向けのTシャツデザインや、携帯向けフラッシュ作成など。
Inkscapeというドローソフトを本格的に使い始めたり、ParaflaというソフトとActionScriptという言語でカウントダウン機能付きフラッシュ待ち受け作ったり。作るの楽しい!もっと良いものを作りたい!というモチベに動かされてた。



ガラケー文化(高校生)

高校生の頃ガラケーを持ち始めました。メールで会話するとRe:Re:Re:Re:が伸びていく頃。保護メールとか、デコメとか、自作絵文字とか、そういう概念が存在した頃。普通のメールの末尾で大量に改行して、下に白文字で爆弾発言を仕込むのが流行した頃。たったの数年前なのに、ずいぶん遠い昔のように思う。

ブログも一時期やっていました。やたらと遠回しな文体がスタンダード。遠回しすぎて自分でも解読できない暗号多発。




現在

そんなこんなで現在に至る。
ノートパソコンもスマホもタブレットも使いまくる大学生になりました。

でも、未だにタッチパネルだけはどうして好きになりきれない。
パソコンと一緒に育ってきた身だから、タッチパネルは「よそもの」に思えてしまう。やっぱり物理キーボードにはかなわないと思ってしまう。ブラインドタッチできないし。ガラケーはまだブラインドタッチできたのに、スマホってば退化してるじゃないか……とさえ思ってしまう。
タッチパネルの時代が早く終わってほしいとさえ思ってしまう。


でも、ここ最近はキーボード入力よりフリック入力のほうが早い、なんて人も増えているとか。
news.livedoor.com



タッチパネルにぶーぶー文句言っている間にも、時代は変わっていく。





この10年くらいでも、時代はガラッと変わってしまった。
かつて使っていたホームページ作成サービスはどんどん閉鎖してしまって。
私のたまり場になっていたようなホームページもどんどん閉鎖してしまって。
「ホームページランキング」も閉鎖してしまって。
フラッシュはどんどん迫害されていって。
「タッチパネル・ネイティブ」世代がどんどん増えていって。



その先にあるのはなんなのだろうな。
今栄えているものはどれくらい生き残るのかな。
ブログとか、Evernoteとか、Gmailとか、SNSとか、どこまで残るんだろうか。



そんなことを思いました。

今日はこのくらい。

*1:Wordファイルを保存する際「Word 97-2003文書」として保存すると、古いワードアートで遊べます。

*2:Internet Archiveを使用。昔のインターネット文化たどるのにInternet Archiveは本当に便利