ザザイズム

書くことは命の洗濯。日常で考えたことや国内外旅行記などつづっています。

モロッコでローカルハマム(サウナ)に入った話

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クリスマス休暇なのでモロッコにいます。マラケシュ→日帰りエッサウィラ→メルズーガ(サハラ砂漠ツアー)→フェズ→シャウエンと移動してきました。
なかでも印象的だったのがモロッコのサウナ、ハマム。


ハマムとは

銭湯のサウナバージョンといったかんじのもの。ローカルハマム(20〜50DH=200〜500円前後)〜観光客むけ高級ハマム(200DH=2000円以上)まで種類はいろいろ。
私が行ったのはローカルハマム。パンツ1枚で、あかすり(ゴマージュ)黒石鹸(サヴォン・ノワール)を持ってサウナに入り、あかすりとマッサージをするのが基本スタイル。替えの下着は忘れず持ってくるべし。

地元の人はバケツ・手桶・いす・シートなんかも持ってきてますがなくてOK。

もちろん男女別。
場所によってはひとつのハマムを時間交代制で男女入れ替えているところもあります。だいたい女性が朝〜夜、男性が夜〜朝っぽい。




フェズでハマムを探す

最初は宿の人に聞いたところ、「一番近いハマムは最近閉鎖してしまった」とのことで少し離れた場所のを教えてもらいました。
「Hammam mernissi」というところ。ただ、行ってみると200DHというマッサージ込みの高い金額のコースが出てくる。
どう考えてもここのは観光客向けっぽい。どうにかしてローカルなハマム探したい私は立ち去る。とはいえどこにあるかなんて情報は何もわからない。
「新市街にあるかも」とも言われたけど、もう新市街には行く予定ないしいかんせん遠いし、新市街といってもけっこう広いから探すのは難しそう……。

ハマムは諦めるか〜と思いつつ、メディナ(旧市街)を散策し、イスラム神学校や革なめし作業所なんかを見学。ぶらぶら宿方面に向かっていたとき。


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ピンときた。

奥の見えない感じの場所、とくればそれはハマムの可能性大。

入口上の文字は何も読めない。

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入口奥にフランス語で「女性: 8am〜9pm、男性: 9pm〜8am」という貼り紙がある。

入口にいる人に「ハマム?」と尋ねてみた。そうだと返ってきて、入口にいる女性に手を引かれて中へ。

めくるめくハマムワールドに入ってしまいました。


場所はBouhajというメディナのメインストリートの1本に面していたのでわりとわかりやすい。
コードでいえば、ここ。ずれてるおそれあるかもしれないけど、多分そんな遠くない。
34.065276, -4.979766




ローカルハマムに入ってみた

入場料50DH、あかすりマッサージ25DH、荷物置き場チップ1DH。入浴料ひとけた〜20,DHくらいと聞いていたのでなんかちと高い……?と思いつつ、でもさっきの200DHにくらべたら全然安いからいいやと思う。
あかすりマッサージ込み総額ならたぶん相場からそんな外れてない。はず。


サウナ内に持っていく貴重品をジップロックに分けて取ろうとしたら全部荷物置き場に持ってかれてしまいなんとも不安。

なんといっても全部アラビア語とフランス語のみ。あちこち手を引かれて案内されるものの、いっさい話がわからない。フランス語のわかる女性やマッサージのおばさまと身振り手振り、わずかな単語だけで手を引かれるまま、なすがままに服を脱ぎ荷物を預け、いざサウナ室へ。






あかすりのおばさまに手を引かれて入ってみると、そこはもう完全なローカルの世界。
サウナ室の床一面に座り込んでごしごし体をこする人、おしゃべりに花を咲かせる人、お湯をくむ人……。
入った瞬間めちゃくちゃ視線が集まった。そりゃあそうだ。ハマムの名前すら読めないようなアジアンがいたらそりゃあ謎でしょう。




手を引かれて奥の部屋へ。
壁にある蛇口からバケツにお湯をくみ、小さいおけでバシャバシャ湯をあびる。

サウナ部屋(といってもドアもない部屋というよりゾーン)は何個かあって、奥に行くほど熱い。日本人には一番奥でももうちょいいけると思えるくらい余裕の熱さ。




一番奥の部屋で、おばさまになすがままにあかすりマッサージ。
痛いと聞いていたのに、全然そんなことない。ハードスケジュール続きの日々で体バキバキだった私にとってはとても気持ちいい。
ときおり、ほらあかいっぱい出たわよーと言わんばかりにあかすりハンドタオルを見せてくれて「おー」と驚いた顔をしあって笑う。

笑顔と驚き顔と身振り手振りだけ。でも、すごく楽しいものがあった。
ときおり隣の女性がフランス語で指差しつつ話しかけてくる。「ジャポネ」だけは返せてた。あとはわからない、ごめんなさいと土下座したくなるくらい何も返せず申し訳ない。
そんな何も知らない謎のアジアンにも笑顔向けでくれてとてもうれしい、ありがたい。




周りを見ると、知り合い同士であかすりしあっているもよう。もわもわと反響して湯気のごとく部屋を満たすおしゃべり声。内容は何もわからないけど、ただその声を聞くだけで面白い。

「裸のつきあい」という言葉がアラビア語にあるかはわからないけど、きっとあるんじゃないか。そんな気持ち。






洗い上がって、バケツからじゃぶしゃぶお湯をかけてもらい、外へ出る。
ドライヤーなんてものはない。髪をだんごにまとめてヒジャブを巻く。周りの人もみんなそう。
マフラーか何かを巻くようにひょいひょいっと巻き上げていく。そんなの見れる機会、そういやめったにないはず。




外出て、「何かすごいことが起きた」と呆然としつつ、水をゲットしてぐいぐい飲んでほっとする。 

スパっと晴れたようなすがすがしい気分で宿へ帰る。
一気に疲れが出てきたのか、その日の夜はいったんベッドに転がったら起き上がれず、ぐっすり。





思えばここ数日、ずっと過酷な日々だった。
ふっかけられたり、冷え切った風呂場で激ぬるいシャワーを浴びたり、寒さで目が覚めたり……。
それに、モロッコは男一人旅と女一人旅じゃ難易度ダン違い。
セクハラ寸前の悪質店主にひっかかったこともって、「男に生まれたかったあぁぁ」と叫びたくなったこともあった。


でも、女湯に入れるのは女の特権。
現地のモロッコ女性と関わる機会はふつうに旅してるとなかなかない。店主も宿の人も男性ばかり。
そのぶん、ここに来れたのはほんとによかった。




ただ……やっぱりせめてフランス語くらい話せたらよかったな……。もうちょっとまともに作法覚えて来ればよかったな……。
あんな良くしてもらったのに、ぜんぜん返せずじまいなのはほんとうにごめんなさい。とにかくシュクラン(アラビア語: ありがとう)しか連発できない。



すっかり気に入って、シャウエンでもハマムに入ってみました。
シャウエンでは薪が外に大量に積んであるのが目印。わかりやすい。

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あかすりハンドタオルは持ってたせいか、要領がなんとなくわかったせいか、手引かれ回ることはあまりなくけっこう自分のペースでまったりできました。
入浴料20DHくらい(うろ覚え)、浴場で背中ごしごししてもらった人にチップ10DHくらい。





モロッコの街歩きしてて、これはと思う入口にであったら、ぜひ思い切ってトライしてみてください。
人によっては痛い・不潔(まわりの人のあかが場所によっては流れてくる)と感じるかもだけど、私はそこまででもなかったし、
経験してみる価値は大いにありました。




モロッコでの毎日、ほんとに濃すぎて書ききれません。時系列というより思いついた順に書き留めていきます。




今日はこのくらい。



◯今日の過去記事◯
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