ザザイズム

書くことは命の洗濯。日常で考えたことや国内外旅行記などつづっています。

卒論書けない病に「フリーライティング法」が効いた話


卒論シーズンの今日この頃。去年の今頃、わたしも猛威を振るう卒論書けない病に罹ってもがき苦しみまくってました。

そんな状況を突破できたのが、「フリーライティング法」。文系卒論ですが、分野問わず効くと思います。

卒論書けない病の症状

私が去年の12月頃に罹った卒論書けない病は、こんな症状でした。

できているもの
  • テーマ
  • リサーチ(8割方、分析残あり)
  • 目次

※この段階での卒論書けない病の対処にはnext49さんの記事を激推しします。
卒論関連エントリーリンク(2011年11月版)- 発声練習

できないもの
  • 本文

そろそろ書かなきゃ前に進まないな、と書こうとしてみたら、書けない。

窒息したような、カラカラに乾いた雑巾を絞って無い水を絞ろうとするような気分。

頭の中の情報量が圧倒的に不足しているように感じる。

じゃあ、資料読んだら書けるんじゃないかな、と文献やデータをあたると、よけいに脳内が混乱していく。
結局何をどうしたくて情報収集しているのかもわからなくなり、「ああ分析も先行研究整理もできてるつもりで全然ダメじゃないか」と鬱になる。


文章量は増えないまま、時間だけが経つ。



「フリーライティング法」とは

そこで出会ったのが、「フリーライティング法」。
Tsutomu Yonashiroさんのこちらの記事を読んだのがきっかけです。

フリーライティング (2003/01/27)


では、あとはこちらをお読みください!

〜終了〜





…………と終わらせたいくらいなのですが、自分なりの方法論を書いていきます。


私なりのフリーライティング法を要約すると、こんな感じ。

  • ノンストップで筆を止めずにどんどん書く
  • 言い回しや正確なデータ、論展開の正しさを気にして筆を止めない
  • 「要修正」箇所には★などの印を打つに留めて、筆を止めない
  • 「ここはわからない」「自信ない」といった心の声を書いてもいいから、筆を止めない
  • 修正は後でまとめて行う

以下、詳しく説明していきます。

「0から1」と「1から10」を分ける

文章を「0から1を創造する」のと、「1を削ったり整えたりして10にする」の2つは本来相反する行為。
その両方を一度にやると、前に進みながら後ろに戻ろうと超高速反復横跳びしてるような状態に。脳内がごちゃごちゃになり、エネルギーをどんどん消耗してしまう。


だからこそ、最初は「0から1を創造する」ことだけに集中するのが良い。
どんなにうろ覚えだろうとも、どんなに表現が稚拙だろうとも、決して途絶えさせずノンストップで文章を書きなぐる。

書くことが思い浮かばない場合でも強引に書き進める。たとえば、構造主義について何か書こうとして何も思い浮かばないとする。その場合でも「構造主義について何か書こうとしているが何も思い浮かばない。」などと書き連ねる。そうしているうちに手と頭が温まって「たったいま書いた文から連想が働き、次の文が生み出される」というように1つの「流れ」が形成されてきます。

私が記事の中で衝撃を受けたのがこの部分。「わからない」なんて書いていいんだ……!とびっくり。




気になる箇所は★マークを付けてすぐ次に移る

私なりのアレンジとしては、「あとで直す」のマークとして★マークを書くことにしました。

  • この表現は稚拙すぎて恥ずかしい
  • あの本のあの部分を引用したい
  • この出来事が何年にあったのか正確に書きたい
  • あのデータを示す表をここに入れたい
  • 引用元示さなきゃ

こんな事柄が書いている最中に脳によぎったら、「ほし」と打って★に変換。(★わからん)と心の声を付けることもある。
それだけやって、もう次の一文を書き出す。流れを途切れさせずどんどん文章を続けていきました。

そして、一通り文章を紡ぎ終わったら、できれば日をあらためて大校正大会。「1を10にする」作業。
去年、4万字書いた段階で★マークをワード検索してみたら、260個超ありました。1〜3文に1回は登場している計算。

その1つ1つを修正していく。そうしていくと、「今日は★を30個つぶせた」と、進捗を定量化できて一石二鳥。




思いっきり白紙を汚す

よく論文どうしようもなく何から書き始めたらいいのかわからない人へのアドバイスとして、「とりあえず表紙作って章節項立てもアウトライン元に立てろ、謝辞書け、できるところからやれ」というのがあります。

こちらを参考にしました。
next49.hatenadiary.jp

まっとうなアドバイスだと思います。ただ、この手順を踏むと、私のテーマだと文系論文ってこともあってか「コピペで形作り」と言われても論理展開同じ論文は見つからないし、似ている論文も似てなさすぎて修正のほうがやっかいだし、あまり向かなかった。

でも白紙に文章を書けない〜〜〜〜と苦しんでいたときに出会ったのがこのノンストップライティング法。




わたしにいちばん必要なのは、膨大な資料でもなければ、アウトラインやレイアウトをいじくり回すことでもなかった。
「白紙のWordファイルを思いっきり汚す勇気」だった。




表紙やアウトラインの体裁をキレイに最初整えると、ついついそのノリでで「一発でキレイに文章書かなきゃ」という完璧主義に陥ってしまう。

でも、フリーライティングでWordファイルの白紙に汚い文章を載せ始めてからは、吹っ切れたようにガンガン書けた。




文章の聖霊を呼び寄せる

わたしが記事で衝撃を受けたパートをもう1つだけご紹介。

もう1つ注意すべきというか「心構え」として必要なことは「信じる力」です。何を信じるかというと、自分の意識下の貯蔵庫には膨大な知識・知恵・比喩・発想などが貯えてあるということ。それを「信じる力」です。12使徒やイタコではないけれど、「とにかく書き出す」そして「ノンストップで書き続ける」ことにより、そういった聖霊やら狐やらを呼び出すことができる。「そういったものたちが自分の代わりに書いてくれるんだ」と信じる力です。


卒論書けない病に陥っていると、「自分は文章なんて書けない……」と凹みに凹みきってしまうもの。
そんなときに「自分の無意識を信じる」って、なんだかちょっとスピリチュアル……と思うけど、事実としてこのマインドセットは侮れなかった。



まとめ

  • 「0→1」「1→10」を高速で反復横跳びするな
  • ノンストップで脳内思考を垂れ流せ
  • 白紙を脳内思考で汚しまくれ
  • わからないならわからないと文章に書いていい
  • 文章の聖霊を呼べ、自分を信じろ
  • あとで大校正大会を行え

これらを守ったら、卒論書けない病から約2ヶ月で6万字を書き上げることができました。
卒論に苦しむいつかの誰かの参考になれば幸いです。




◯今日の過去記事◯
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