ヨーロッパは一般的にフリーWi-Fi環境が日本よりも断然整っています。とはいえ、Wi-Fiがない場所のほうが圧倒的に多い。
SIMフリースマホ持っている方向けに、ヨーロッパ各国でモバイルデータ通信を使いたい場合の情報を軽くまとめてみます。
私はイタリアのVodafoneでヨーロッパ周遊用にSIMカードを購入しました。
2016年8月現在の情報です。
ヨーロッパ各国でスマホを使いたい
ヨーロッパ各国で、Wi-Fiがない環境でもネットが使いたい!
そんな時の主な選択肢は以下の通り。
- 日本で使っているSIMカードを海外でも使う(ローミング)
- Wi-Fiレンタルをする
- 渡航先各国でSIMカードを購入し、SIMフリースマホで使う
- 周遊向けプランがあるSIMカードを購入し、SIMフリースマホで使う(ローミング)
ローミングとはざっくり言うと、自分が契約している通信業者が他国の通信業者と提携することによって、他国でも提携先の電波を使って通信できる。そんなイメージ。
1の選択肢、つまりいわゆる日本の三大キャリアや一部のMVNOと契約していても、海外利用は可能。
しかし、割高。
例えばDocomoだと1日30MBでヨーロッパ圏は1280円か1580円/1日。
2は国によるけれども1日1000円前後はかかるのが多い。
ただ1台で10機器くらいは接続できるものが多いので、グループでの旅行なんかでデータ通信だけほしければ意外と割安かも。
3はSIMフリーの強み発揮といったところ。国と通信業者によるけど基本的に1、2よりは断然割安。特に1カ国に数日間滞在するにはぴったり。ただし問題は、複数国を短期間で転々とする場合。毎回購入するのは面倒だし、最安値のプランにしても容量を使い切れず割高になることも。
特にヨーロッパは簡単に国境超えられてしまうのでこのデメリットは大きい。
4は私がとった選択肢。本質的には1とやってることは変わらないんですが、そこはさすがヨーロッパ。「ローミング=高い」の構図を覆すようなオプションプランがあるんです。
ヨーロッパ周遊向けオプションプランとして有名そうなのは
通信業者 | オプションプラン | 一日あたり料金 | 一日あたりデータ通信容量 |
Orange(スペイン) | GoEurope | 1€ | 100MB |
Vodafone Italy | Smart Passport | 3€ | 200MB |
Vodafone Ireland | RED Roaming | 2.99€ | 200MB |
など。こちらに詳しく説明があります。
ヨーロッパを周遊するのに使える6つのSIMカード|Help Point
これらのローミング料金プラス初期費用としてSIMカード購入費用や、各国内向けオプション料金がかかります。
それらを込みで考えても安い。
これらのSIMカードは日本からもebayなどネットを通じて購入可能だそうです。
個人的には日本にいるうちから入手しとけばよかったと後悔した。到着したての慣れないときこそネット環境のサポートがほしい場面だらけだったので。
私はたまたまイタリアに行く機会があったので、イタリアVodafoneのSIMを購入してみました。
イタリアのVodafoneでSIM購入
ラ・スペツィア(La Spezia)という所で購入しました。ミラノから電車で約3時間。
予想通りショップ店員さん、英語全然通じません。買うならミラノとか大都市のVodafoneのほうがまだ通じる可能性高そうだから極力そうすべきだと思う。
カタコト同士でほぼ勧められるがままに契約したのが30ユーロのこのプラン。イタリア国内のデータ通信が3GB+通話が付いてくる。
プラスして、Smart Passport オプションが使える。使うたびにイタリア時間の1日で3ユーロ。
200MBのデータ通信、60分間の通話、60通分のSMSが使える。200MB超えると100MBあたり2€かかる。
ネットだと、イタリア国内のデータ通信や通話オプションを削って契約できたなんて話もありました。そうするともっと安かったはず。ただお互いカタコトなのでそこまで交渉はできなかった。
イタリア国内で使ってみた
SIMカードを挿入すると、PINコードの記入が求められます。これはSIMカードの付いていたカードに記載。電話番号は契約書に記載。
データ通信、SMS受信は即使えました。
イタリアには6日間滞在しました。宿のWI-FI環境が悪かったこともあり、3GB分余らしてもしょうがないのもあり、ガンガン使いこんでました。それでも半分1.5GB分余らせた。
場所によっては4G(LTE)も入る。日本で使っているスマホとそんなに感覚は変わらない。
ただし、ネット経由のチャージは購入後翌朝までできない。
というのも、チャージやプランの管理をするためにはMy Vodafoneというサイトでアカウント登録をする必要がある。これが、購入翌朝にならないと登録できない。契約当日だと「この番号は登録されてません」といった表示が出てくる。
しかもスマホからだとブラウザ経由ではなくアプリ落とすのが必須。これまた10MBくらい食う。ウェブ翻訳アプリも適用できないし、微妙な使い勝手。
というわけで、MyVodafoneにはパソコンやタブレットのブラウザからログインして操作するのがおすすめ。
公式サイトからMyVodafoneにログイン(Accedi)のち、画面右上にある「Fai da te」に飛ぶ→「Ricarica Online」から。PayPal経由でチャージ。
イタリア国外で使ってみた
他国に入国したら「Smart Passport オプションが使えます」という趣旨のSMSが届く。スイス、フランス、ドイツで使用したところ問題なく使えました。
利用するには、モバイルネットワークとローミングを有効にするだけ。
事前申し込みなしで即使えます。
Androidの場合、設定→(無線とネットワーク)→もっと見る→モバイルネットワーク→データローミングをオンにする。
注意点としては、利用を止めたいときはSIM取り外す。SIMカードを本体に挿しっぱなしにしているとローミングをOFFにしていても自動的に課金され続けるらしい。
1日200MBってどうよ
旅行用なら必要十分。
路線検索、宿予約、Googleマップ少し、情報収集少し、で十分余る。
SNSやネットサーフィンバンバンしたり、宿がWi-Fi使えない環境だったりしたら危うい。
ただ、そもそも移動中の電車なんかは電波掴まないことが多いので、そんなに使いすぎることもないんじゃないでしょうか。
いらないオプションの解約
私が購入したプランだと、イタリア国内のデータ通信が月ごとに自動更新・自動課金されてしまいます。
MyVodafoneから解約しておきます。
先述したとおり、タブレットやパソコンからWEB翻訳駆使しつつ操作するのおすすめします。
公式サイトからMyVodafoneにログイン(Accedi)のち、画面右上にある「Fai da te」に飛ぶ→(La tua SIM)→「Promozioni Attive」に飛ぶと、以下のような画面が表示されるはず。
私は「Tariffe Base」の「Vodafone International」「Vodafone Exclusive」と
「Tutti gli altri servizi 」の「Rete Sicura」を解除しておきました。
結局どれが良いの?
ここまでイタリアVodafoneのことを書いてきましたが、おすすめできる場面は限られてます。
イタリアにしばらく滞在する予定がある人以外は、アイルランドVodafoneやOrangeのほうが便利だと思う。
というのも、イタリアVodafoneはここ数ヶ月でも改変(基本的に改悪)が激しい。以前は3€で500MBだったのが200MBに大削減されてます。
特にアイルランドVodafoneは全面英語だから操作もしやすい。
しかも、ヨーロッパ国外で使う場合はアイルランドVodafoneのRED Roamingのほうが確実に有利。
中国やタイなどで使う場合、
イタリアVodafoneは30MB、6€/日。
アイルランドVodafoneは200MB、4.99€/日。
ちなみにOrangeはデータ通信をヨーロッパ国外ではできません。
Scopri l'opzione Smart Passport per l'estero - Vodafone
Roaming? Use your phone in Europe as you would at home | Vodafone
特に、日本からわざわざ手に入れるならイタリアを選ぶ理由はあまりないかな、という印象。
もう一つ留意しておきたいのが
「EU圏内のローミング追加料金が2017年6月から廃止される」こと。
EU域内で国際ローミング無料化 - KONURE
ここ一年で大きく状況が変わるかもしれない。特に留学みたいに一国長期滞在+周辺国短期滞在の場合は周遊用に別途SIM持つ必要はなくなるでしょう。
これに合わせてまた料金体系などが変わってくるかもしれないので今後の動向には注目したほうが良さそう。
参考にさせていただいたサイト
「欧州最強SIM」Vodafoneイタリアに潜むワナ – へなちょこにライティング
「シニア旅人」の旅情報: Vodafone ITのデータローミングSIMカード 「Smart Passport」1日3ユーロ/500MB活用は~「My Vodafone」登録が不可欠です!
【SIMフリースマホで海外SIMを使おう!】イタリア「Vodafoneイタリア」 1日3ユーロでヨーロッパ内データ通信ローミングが可能 - トラベル Watch Watch
ヨーロッパを周遊するのに使える6つのSIMカード|Help Point
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「旅行中くらいネット断ちして、現地の人に尋ねまくってナンボでしょう」という考えもあるでしょう。
地図や路線検索、翻訳も今時オフラインでできるし。
www.zazaizumi.com
じゃあなんで自分はSIM持っていたかって、いざという時の保険かつ時間の有効利用。
特に宿と電車の予約。さっさとやらないと値段が上がったり売り切れたり。そういったのを移動中や待ち時間とかのスキマ時間にこなしてしまえると安心感が段違い。
うまくいかないスリルを楽しむのも旅、安心感得て目の前の時間をゆっくり楽しむのも旅。
どちらが良いとか悪いとかじゃなくて、好み。
何かの役に立てば幸いです。