ザザイズム

書くことは命の洗濯。日常で考えたことや国内外旅行記などつづっています。

AIに理想のインテリアを描かせてみた

理想の部屋を作りたいとずっと思い続けている。けれど自分のセンスに自信がない。

そんな悩みをいま話題のお絵描きAI「Stable Diffusion」を使って解決できないか試してみた。




AIにインテリアを描かせてみようと思ったきっかけ

日本の住宅事情に合うインテリア参考画像が欲しい

部屋作りの参考に、Pinterestでインテリア画像を収集している。

しかし、いくら参考画像を集めてもいざ我が家に適用するとなると頭を抱えることになる。

我が家のリビングは通路込み11畳、まともにリビングとして使えそうな面積は8畳くらい。狭い。でもPinterestで出てくる海外の部屋は広い。「Tiny room」と指定してもぜんぜん広いやないかい!とツッコミたくなる広さのものが出てくる。海外のお部屋は天井が高く開放感があるのも特徴で、いやこのサイズ感日本に持ってきても圧迫感すごいよなと思ってしまいがち。

"Paris Apartment"とか"New York Studio"とか部屋の狭そうな都市の名前を付けるとちらほら出てくるけど、今度はテイストが違ったり、ワンルームにベッド置くタイプの部屋が出てきたりする。単に小さいリビングの部屋を探すのが難しい。


複数の要素を兼ね備えたインテリア参考画像が欲しい

例えば同じテイストの部屋でグレーの布ソファだとどんな感じになるのか?黄みがかったフローリングだとどうなるのか?白のラグじゃなくてキリムなら?といったカスタマイズがしたくてもそういった参考画像が見つかるかは運次第。検索で引っかかりやすい条件とそうでないものがある。アクセントウォールの色とかは引っかかりやすいけど、ソファの色とかは検索ワードとして引っかからないことが多い。




そんなことを考えていたところ、こんな記事を見た。すごく興味深くて大変参考にさせていただいた。

note.com

AIなら、私の部屋にあった画像を生成できるんじゃないか?と思い。ゲーミングPCだから環境面の制約もクリアできそう。ならば、AIに描かせてみようと思った。



導入

環境はWindows 11 + NVIDIA GeForce RTX 3060ti。
画像生成に使ったのはNMKD Stable Diffusion GUI版。下記を参考に導入。

wanhachi.com

最初はPython経由のコマンド形式で環境構築したけれど、バージョン互換性や出力調整で気を使うことが多く大変だった。その点、GUI版はexeファイルを落とせばOK。遊び程度なら断然使い勝手が良かった。

それに、コマンド版だと意図しなくてもNSFWコンテンツとして検知されてBanされることがたまにある。そういった点でも使いやすい。




使ってみた感想

AIはインテリアテイストの法則を理解している

インテリアテイストを指定するとそれっぽい部屋が無限に湧いてくる。

私が採用しようとしているのは「BOHO」というボヘミアン+モダンシンプル系のインテリアテイスト。このテイストは学習元の統一度が高いのか、指定していないのに「これあるといい感じになるっしょ」とばかりの物品がどんどん湧いてくる。



例えばこんなテキストを入力してみた。

「tiny studio apartment living room, light brown wood flooring, center table, sofa, 40 inch tv, plants, turkish old kilim cushion, cozy, low ceilings, turkish kilim center rug, modern boho style
(小さなスタジオアパートメントのリビングルーム、明るい茶色の木製フローリング、センターテーブル、ソファ、40インチのテレビ、トルコのオールドキリムクッション、くつろいだ雰囲気、低い天井、トルコキリムのセンターラグ、モダンなBOHOスタイル)」


こんな画像が出てくる。




具体的に指定していないのに、Pinterestでめちゃくちゃ見覚えあるアイテムが描画される。天然編み素材の丸っこいクッション、天然素材の壁飾り、宙から吊るされた植物、ソファ上のブランケット、等々。

学習元がまさにPinterestにあるような画像なのだろうけれど、にしたってあまりにも法則化されている。そういった確立されたインテリアテイストの文法がAIのちょっぴりのランダム性の中に次々表れてくるのは答え合わせみたいな面白みがある。




狭い部屋を出力するにはコツがいる

「tiny apartment living room(小さなアパートメントのリビングルーム)」とか「low ceilings(低い天井)」を指定すると、日本によくある狭い部屋をある程度再現できそう。

これがないと8人がけぐらいの悠々たるソファのある部屋が出てくる。

AIから見たふつうのリビングルームサイズってこんなにでかいのか……って唇噛みたくなる。窓の付き方が明らかに一軒家だろうっていう部屋もよく出てくる。狭そうな部屋のワード入れるとだいぶ巣ごもり感のあるインテリアも出てくる。



あと、横長画像を出力すると横に広い部屋、縦長画像を出力すると天井がやや高い部屋になりやすい。私の家並に小さそうな部屋は正方形指定するとよく出てくる。

特徴的なのが、狭い部屋に小さい家具を置かずに思い切って大きめのソファで埋めるインテリアがよく出てくる。壁掛けテレビとかにして収納最低限にしたらこんなサイズ感でもいけるのか……?でもやっぱり天井高低いと圧迫感すごそうでは?と思ってしまう。




AIは配色テクニックを理解している

インテリアにレピュテーションという同じ色を複数箇所で繰り返すとまとまって見える、というテクニックがある。AIはどうもこのテクニックを学習しているっぽい。

特にキリム絨毯とソファは同じ色を共有しがち。ソファを水色系に指定して、「カラフル」も加えると絨毯に水色が入る。壁の飾りにも水色が見受けられる。



キャメル系の革ソファだとキリムは使い込まれたようなオールド感強め、クッションやプランターが全体的に柔らかめのブラウンっぽくなる。

色合わせってこうやるのね、と比較できるのは強い。けっこう強めの色を取り入れたいと思いつつ勇気が出ないけれど、こういう参考画像があるとイメージが湧く。



キリムラグは鬼門

キリムのラグはキリムらしくならないことが多い。使っている色のトーンは似ているのだけど、だいたい毛足長めでふわふわした絨毯の質感が混じる。平織りのカジュアルな感じが薄れる。

単独でキリム描かせると言わんとしていることはわかる感じにはなる。

床に敷くと、キリム以外の絨毯が学習元になって引っ張られまくるんだろうと思われる。インテリアに質感って重要だと思うけれど、絨毯の質感まではまだもう一踏ん張りの学習が要りそう。



まとめ

インテリアのインスピレーションを得る目的ならかなり使い出がありそう。

AIは完璧ではない。画像をじっくり見ると不自然な部分は多々ある。背もたれだけのソファ、開けられそうにないドア、テーブルの脚に花瓶が刺さっている、等々。それでもいろいろ試してみた印象だと、人物の絵よりもインテリア系は破綻しづらそうな感じがする。

もう少し勉強して、部屋のレイアウトやアングルを指定して生成させまくれるとより実用的になりそう。

gigazine.net



使ってみて思ったのが、お絵描きAIには妙な中毒性がある。

1枚10秒くらいと絶妙な待ち時間で画像が延々と生成されると、「画像ガチャ」を回しているような気分になる。納得いかない結果のときに試行錯誤して修正して、リトライして、また1枚10秒待って……ってやっているとふつうに時間が溶ける。キリがない。

インスピレーションを十二分に得たら、優柔不断に甘えず具体的なアイテム集めに移らないと。そう思った。




今日はこのくらい。








◯今日の過去記事◯

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