ザザイズム

書くことは命の洗濯。日常で考えたことや国内外旅行記などつづっています。

増えゆく「ツーリスト・トラップ」とどう付き合うか

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チェコ・オーストリア旅に出て以来、旅行欲がガタ落ちしました。楽しかったのは間違いないけど、なんだか旅行疲れした。次はどこ行こう、という思考が湧き上がらない。

その理由を考えてみて、この先どうしたらもっと旅行を楽しめるのか探ってみた。

旅行に疲れたわけ

想像以上の混雑

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予想外にあちらこちら混雑していた。狭い路地や展望エリアや室内に集団ツアー客が詰めかければ、待てども待てども空かない。城内ツアーに出ようものなら前の団体の進み具合に見るペースを左右されてしまう。地味にストレス。

調べた限りでは、今だと年がら年中混雑といっても良いみたい。夏のバケーションのトップシーズンを外したからといって大して変わらないみたい。

そして、混んでいるという覚悟もしていなかった。異国感をまったり楽しもう!というマインドセットで行ったら、予想外で現実に引き戻されてしまった感覚。

オーバーツーリズムに悩まされている感

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例えばオーストリアのハルシュタット。とても美しく欧米アジア観光客に大人気の場所に行ったときのこと。

至る所について厳しく咎める注意書きがありました。
「ハルシュタットは博物館ではありません。住人への配慮をお願いします」と。

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出典: Wikimedia Commons

そういうのを見ると、何が過去にあったのか思いやられてしまう。

実際、1回ハルシュタットでアジアン観光客がベンチの上に土足で立って写真を撮っているのを見てしまいました。そういうのを見るとテンションがガッと下がる。

期間が長い

例えばウラジオストクもやや混んでいた。けど、2泊3日のハイテンションでガーッと駆け抜けたから気にならず、混雑も賑わいのひとつだった。

さすがに10日間ずっと人混みを切り抜けるテンションは保てない。





こういう事柄が重なって、旅疲れの印象が少なからず残ってしまった。







増えゆく「ツーリスト・トラップ」

「ツーリスト・トラップ(Tourist Trap)」という言葉があります。
「混雑がひどい」「高いコストに中身が見合わない」といった期待はずれの観光地に大して用いられる言葉。

混みすぎのオーバーツーリズムゆえに「ツーリスト・トラップ」の烙印が押される場所はどうしたって増えていくんだろう。その地それ自体に罪はなくとも。

海外旅行客は増えていく一方で、だからこそ必然的に混雑が発生する。
それは世界各地の人が豊かになった証拠であって、そう簡単に責められることじゃないし、私もその恩恵を享受している一人。

一方で観光ガイドやSNSに溢れるのは観光客のいない写真。イメージのギャップは広がっていく。



「観光地を独占したい」とは願わない。けれど、少なくとも、その全く異なる世界という非日常感に身を浸したい、という気持ちがある。そこに「ツーリスト・トラップ」の烙印が押されていくのは単純に悲しい。それはとてもわがままな気持ちということはわかっていても、悲しい。




旅行に求める方向性

旅行に求めるのは非日常感。それには、2つの方向性があると思う。


ひとつは、お祭り的な非日常。
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活気、お祭り騒ぎ、ごちゃごちゃ感、といったイメージの場所。
台北、渋谷、タイムズスクエア、各国のマーケット、ドイツのオクトーバーフェストあたり。
複数人で地を踏みしめてワイワイ楽しむのが似合う。


もうひとつは、浮遊感のある非日常。
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美しさ、静けさ、綺麗さ、歴史、幻想的、神聖、といったイメージをまとう場所。
京都、九份、青の街シャウエン、各国の大自然、あたり。
ひとりでぼんやり景色に没頭してしみじみ楽しむのが似合う。


そして、前者は混雑に強く、後者は混雑に弱い。
混み合うと「ツーリスト・トラップ」の印象を抱きやすい。


私はどうしても後者の浮遊感に惹かれるタチである。だからこそ、つまづくことも多いんだと思う。



景色より人との交流

だとしたら、旅を楽しむにはどういう手段があるだろう。

オフシーズンを狙う。
知名度・人口密度の低い穴場を探す。
あえてお祭り的に楽しむべくスイッチを切り替える。
お祭り的な場所を積極的に選ぶ。


いろいろ考えつくけど、
結局、究極に心に残るのは「人との交流」だと思う。


お祭りとも浮遊感とも違う、もっとどストレートに心に残るもの。私にとっては中央アジアの旅がその代表で、数々の知らない人との交流がとてつもなく面白い場所だった。

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ウズベキスタンのテルメズにて。

社会人になって以来、旅行で人と交流していない。そもそも一人旅よりも複数人旅メインになった。相手に寄るけど、一緒に行く人との間で旅が閉じがち。一人だとしても、ホステルにも泊まらず、現地ツアーに参
加せず、現地の人に助けを求めることもせず。

私の旅行疲れはこのあたりから来ているのかもしれない。






そう思ったのでした。

今日はこのくらい。










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